北原美幸[歌人] ※ページ内のすべての画像はクリックすると見やすくなります。 北原美幸の関連作品 「食会の五十周年に表彰されて謝辞を述べんとドキドキしたり」 「充実せる良き旅なりし老大の思ひ出深く残りゆくらむ」 「昼食の水沢うどんのおいしさよ友等の顔もほころびてゐる」 「再びを帰ることなき弟を待つ椅子朝あさ移動して掃く」 「小春日の縁側に追ふわが幻想空高くゐて鳶が輪を描く」 「薬師寺の東西の塔の釣合ひて秋空高く気品を保つ」 「皆様に助けられつつ生きて来ぬ同じ趣味持つ友の尊し」 「杖つける母とはらから偲びたる歌碑を建てたり氏神様の庭」 「母の手をわが手にのせて眠る夜蟋蟀のこゑ細ぼそ聞ゆ」 「ねむたき目擦りて母の尿とればぼそりと言はる「すまんなあ」」 「八つ手の花秋の陽射しにやさしくて此の花好みし父の恋しき」 「老い母とディズニーランドを巡りつつお伽の国の少女となりぬ」 「アパートの図面引きゐし父の手は指太くして節高かりき」 「飼主の死したることを知らぬ牛餌やる吾を訝しげにみる」 「月見草の輝き乗せて風よ吹けわれの歩行は其処まで行けず」 「ほのぼのと心に燃ゆる思ひあり春雨に匂ふ土の色にも」 「待ちぼうけあなたの来ない街角に秋の夕陽がくるくる落ちる」 「新施餓鬼すませて寄りし公園の百日紅の母の声聞く」 「カブト虫の脱皮の様を見つめゐて吾が短歌の殻いつか破らむ」 「リフトに乗り花壇の上を登りゆく白樺湖湖畔の青風の中」 「十二日違ひに二人の叔母葬る茫茫と聞く秋の夕風」 「鯉と透きとほり見ゆる街中の井水を守る郡上八幡」 「感性の豊かにならむを願ひつつ一茶の墓にどんぐり拾ふ」 facebookでシェア Twitterでシェア LINEでシェア