南雲滋女[俳人] ※ページ内のすべての画像はクリックすると見やすくなります。 南雲滋女の関連作品 「立秋の風に色あり雲流る」 「そこだけが華やぐ彩の曼珠沙華」 「七夕や願いの重さ枝たるる」 「岩肌に楚々とゆれいる姫女苑」 「万緑や心弾ませペダル踏む」 「みちのくの余花見る山の静もりに」 「戯れに藻屑をひろう春の浜」 「啓蟄や弱きの虫も這い出しぬ」 「病得て寡黙となりぬ春の雨」 「元朝や多くを望まず神参り」 「生垣に微かな色香残り菊」 「風抜ける枝に色濃く木守柿」 「大仏のおん手まろやか秋溢れ」 「梅雨冷や針の糸目の定まらず」 「草萌えに夜来の雨の一雫」 「眼裏に石蕗の黄のこる鮮やかに」 「鯉のぼり気ままに風を孕ませて」 「久々のショパンの調べ沈丁花」 「岩肌に楚々とゆれいる姫紫苑」 「野仏に小さき供花や梅一枝」 「一族の哀れを読まん冬ざくら」 「ひょっとこの面に冬陽の淡しかな」 「喧騒も濁世も知らで冬牡丹」 「掌にうけて心癒さる秋桜」 「露の秋入魂の彫行者道」 「昔日の浪漫の香りリラの花」 「春霖に哭くや独歩の碑の重し」 「春あらし傘もさし得ず足早やに」 「春禽の視野の狭さを嗤われず」 「早梅に並ぶ老樹の幹太し」 「瑞泉寺予期せぬ雨に余寒あり」 「秋時雨ひとりはさびし紅をさす」 「秋のばら挿してひとりの刻すごす」 「華やぎてなほ更寂し彼岸花」 「囀りの絶えて静まる六角堂」 「公園デビュー果して安堵柿若葉」 「枝垂梅夜来の雨に匂い散り」 「本降りの梅の香を背に女坂」 「福豆をまき損ないて鬼居つき」 「初花や参詣の人まばらなり」 「虚子の句の余韻さぐりぬ冬ざくら」 「早暁の月白々と冬立ちぬ」 「風なくも落葉しぐれを鳴らす風」 「歳時記に拾いし黄葉を栞とす」 「観音のやさしさにも似て秋桜」 「移ろいし紫陽花に似て芙美子の忌」 「鍔口の響きふるわす風みどり」 「虚子も又詠んだであらう藪椿」 「住職の冗舌さえて山笑う」 「気まぐれな風がいたぶる梅の花」 「時々は無為の日もあり寒椿」 「逝く人のありて蜩しきり鳴く」 「風筋を阻む都会の大暑かな」 「蝉しぐれ槇の大樹に吸われゆく」 「ひと刻をコーヒーの店処暑に入る」 「煩悩を大師に納め春を待つ」 「この径に季は移ろいて花八ツ手」 「万緑の匂いの重き古き階」 「花満ちて西行の詩に恋うるかな」 「カルメンと勝手につけてばら深紅」 facebookでシェア Twitterでシェア LINEでシェア