友利敏子[俳人・詩人] ※ページ内のすべての画像はクリックすると見やすくなります。 友利敏子の関連作品 「ジュゴン鳴く平和の春の海となれ」 「自決碑やうりずん南風語りおり」 「慰霊の日喪服を抜ける風もなし」 「うりずんのひと日小さな種を蒔く」 「限界を超えた怒りの慰霊の日」 「鯉のぼり爺々の夢跳ねている」 「星条旗日の丸並びクリスマス」 「ばあばあもむすんでひらいて春らんまん」 「マンゴーの秘めたる核の重さかな」 「うりずんの小雨やさしき子守唄」 「パパイアの大きく垂れて秋立ちぬ」 「遺影にも供しムーチーほおばりぬ」 「やんばる路尾花窺う昼の月」 「夏の海生まれたてなる珊瑚礁」 「夏の海生まれたてなる珊瑚礁」 「秋雲や尖閣列島波高し」 「父上も兄上もなし冬満月」 「海を聴く百合百万のお辞儀かな」 「千年の明け初む空の一点を」 「星月夜あまりに広き島の空」 「春一番別れはいつもアンダンテ」 「遺族皆地に近づきぬ沖縄忌」 「泣かぬ母老いて小さき沖縄忌」 「月桃の花房重し復帰の日」 「雲海や機窓に想う復帰の日」 「花梯梧花炎となりて散り急ぐ」 「梯梧燃ゆ花炎残して師の逝けり」 「新緑の鮮やかなるを悲しめり」 「母の日やマリアさまにも花一輪」 「娘と蝶々と赤トンボ」 「母の愛の手で」 「わが夫の手綱何色十二月」 「甘蔗の花島を吞み込み白蛇ゆく」 「深追いの傷舐めている熱帯夜」 「沖縄忌島赤き火のにおい」 「網膜に消せぬ夏の緋の記憶」 「民法のレポート二枚夏ホテル」 「京料理一期一会の花の旅」 「山葡萄明治女の小さな死」 「鋭角にビルが空切る街の夏」 「藍しみし祖母の手に聴く鷹の唄」 「桜の下で」 「糸吐かぬ我は一生繭ならず」 「切札が出せない一年もう暮れる」 「大根がいやに白くて悲しい日」 「薄墨に音を沈めて冬湖水」 「甘蔗煮る屋号呼び合う島訛」 「風孕み斜めに走るいわし雲」 「清月や「伊良部トーガニ」唄い継ぐ」 「大星座傾きめぐる沖縄忌」 「棘を持つ仙人掌の唄う平和かな」 「鷹の目よ語れや死者のことなども」 「停電や島キラキラの星と在る」 「初雷や昭和の海に沈むもの」 「人の世は雨月薄闇かぐや姫」 「千年の青葉重なり寂光院」 「五月尽外人墓地へ海光る」 「復帰の日火炎樹空へ吐く怒り」 「うりずんというには激し今日の雨」 「轢かれ蝶戦の記憶はりついて」 「花摘みに思い出摘みに百合岬」 「らんまんの桜獣のごとく散る」 「夜桜の影あわあわとすれちがう」 「空梅雨やあお一色の魚となる」 「油紙夏の未練をとじ込める」 「民訴二部試験用紙の凍て返る」 「梅雨寒や六法重し終電車」 「沖縄忌老戦友は寡黙にて」 「無風なる真夏の島や玉砕地」 「不夜城の街にも巡る沖縄忌」 「紅梅の名残り尋ねし風の旅」 「木洩れ陽や愛憎ゆるし寂光院」 「終りなき旅路の果てや冬の虹」 「色浅き菫一輪胸に置く」 「在りしとは幻なりや濡蛍」 「異郷にて果つ無念さよ花吹雪」 「春愁を娘と分つ夜の雨」 「若夏や青の世界の静と動」 「栴檀やニライの海へ花零す」 「冬の月届くベットの花模様」 「夏の雷起き出してくる蕾たち」 「霜月の雨降り止まず修羅の旅」 「妬心消す青く小さき蛍火に」 「星凉し仕立ておろしの長襦袢」 「初詣夫の大きな下駄とゆく」 「夏風邪に母の小さく老いにけり」 「湯豆腐を冷して今朝の離乳食」 「嬰児のあくび新緑色の風運ぶ」 「春暖や天地万物胎動す」 「甲羅干す我を主軸に天動く」 「火の神も磨かれてあり大旦」 「鳴くことも無き鶯を棲まわせる」 「花冷えや米軍基地という迷路」 「秋鳥となりてニライの海に消ゆ」 「白昼夢今日あることを夏という」 「年若き神父と祈る聖五月」 「暮れ残る百合一輪と二人居て」 「初写真「幸」の一点見つめつつ」 「手をひろげ子等は花火の星ひろう」 「百合岬光の海へ長く長く」 「泣かぬ母老いて小さき沖縄忌」 「抗いの島の歴史や梯梧燃ゆ」 facebookでシェア Twitterでシェア LINEでシェア