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太田絵津子［俳人］

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姉米寿第九の合唱律の風

太田絵津子の関連作品

ロボットの運ぶ料理や秋立てり
リハビリの杖の響きに秋を知る
炎天や日本列島わしづかみ
泣き叫ぶガザのニュースや終戦日
秋出水能登に在さぬ神仏
公園にお笑ひ芸人小鳥来る
敬老の日私も年寄りだつたつけ
きのふ荒れけふは爽やか朝の富士
御山洗ひ富士の稜線くつきりと
時雨来て錆の匂ひの船溜り
割りし胡桃脳の如くに漲れり
後戻りならぬ人生蝸牛
給付金の一部寄付して
メーデーのしんがりペットの車椅子
ジャンクションにて宙返りつばくらめ
恋猫の時には偲び泣く如し
ヨーデルの流るる花野富士見ゆる
侘助や茶道一途の叔母逝去
懐かしき大和言葉や建国日
駅伝の少女のピアス日脚伸ぶ
チャンネルを変ふれば戦禍虎落笛
夕暮の紫紺の富士を雁渡る
小鳥来る話し上手に聞き上手
十三夜の里山の尾根迫り来る
聖徳太子の百円札や遠き雷
ヘブライ語の呪文のごとく蝌蚪の紐
亀鳴くやウルトラマンが変身す
花ミモザオカリナ響く牧場かな
天高し好きなことだけすれば良し
水澄みて宿の洗ひ場魚影透く
幼な子と影踏み遊び合歓の花
叱られし子のおとなしく心太
御朱印の奈良墨匂ふ梅雨の入り
大漁に立つに立ち得ぬ潮干狩り
カタカナの明治の教科書鳥曇
咲き出でて楊貴妃桜故郷偲ぶ
サッカーゴールの金のミサンガ山笑ふ
初冠雪の富士神々しき田子の浦
凍蝶のあえかなる瞳に命見る
思い出のアオザイ断捨離冬ざるる
ドクターイエロー木枯し一号越えて行く
星月夜マンホールの絵のかぐや姫
亡き夫の献血手帳雲の峰
象に乗る羅漢に爪立て蝉の殻
鬼灯を鳴らして母の忌を修す
頂に雪の瞬く皐月富士
トランポリンに宙返りの子つばくらめ
バージンロードの如く春雪踏み行けり
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