峰岸順子[詩人・歌人] ※ページ内のすべての画像はクリックすると見やすくなります。 作家情報・その他 作家プロフィール 独国際平和文芸大賞 フランス国際文学大賞 21世紀国際文学賞金賞 日中韓平和文化功労賞他受賞多数 出版 ・詩集「わが愛の詩」 ・歌集「満天の星」「夢船」 電子書籍も販売 峰岸順子の関連作品 「希」 「こころーあなたの死を思うー」 「鵯鳥の乱舞す翼を透かし見る 朝日は瞬刻の幻のごと」 「栴檀の実に群がれる鵯鳥に 元旦の朝は賑わいたてり」 「けやき樹は影絵のごとに浮きだちて 色彩失せゆきて闇となりたり」 「木枯しに振り落されしけやき葉は 幼な児のごと競いつ走る」 「紺碧の北海に浮かぶ島に見ゆ 高空に雲は陽に映えて白き」 「秋澄みの空を片寄せ鱗雲 群れて巨大な魚となりぬ」 「宝蝉と先人の名付けし蝦夷蝉の 声つらなりて山頂にあり」 「春澄みの空はほつとあたたかき 山並みはあわき緑を増せり」 「みどり濃き葉をしたがいて柚子あまた 春陽の中に香りを放つ」 「バスに乗らず山越えをせし母の里 あの峠道は今もありなむ」 「山くだる樹の間がくれに遠き灯の 見えて想い出ず亡き父の唱」 「花火散る輝きのごと会津路は 柿はしだれて入り陽に照りぬ」 「若者よ命ぞ捨つな誰が為に 心ぞ燃ゆるまだ幼きに」 「飯盛山に「白虎隊」舞うおとめごの 白きうなじの面凛しかり」 「かけがえの無き人生を狂わしむ 戦争は罪ぞいかに生きむと」 「義足にて門前に伏すを選択しは 訴えたきか現在の吾等に」 「成田山詣で門前に伏す傷痍兵 胸いたきかな詫びる人無く」 「葛藤の心のままに絵を画きぬ やすらぎありや後の心に」 「絵師亡りて残せし偉大な足跡の 絵にこめられし熱き生きざま」 「原爆のこころもさむき地獄絵の 熱き願いや人の世の幸」 「五月雨にぬれて草喰む乳牛の 白き模様のいとしき温み」 「エネルギーを都会に送らむ送電塔は 緑も深き尾根に立ちたり」 「幾世紀生きこしならむ欅樹の 梢はやさし夢抱きおり」 「新しき朝の光に新年の 空蒼々と吾を抱きぬ」 「一条の棚びく雲は空分けて 光臨のごと日射し出でぬ」 「つばめの巣軒につくりし昔ありて 声かけてみゆ巣をつくらむか」 「初つばめ低く飛ぶ見ゆ公園に いずこに雛の幾つ待ちなむ」 「幼すぎて小学生となる孫の 不安なる母も重ねていとし」 「未熟児に生れし孫のランドセル 重たげに門を曲がりて行きぬ」 「すくすくと育ちし誕生記念樹は 兄弟のごと並びて立てり」 「誕生に贈られ植えし月桂樹 ふたつ並びてすくすく伸びぬ」 「色青く陰干しをせりローリエの ほろにがき味の口に残りて」 「外出のけはいのありて玄関に 留守居のわれに孫たちの合図」 「夏の日の匂いも甘き立ち葵 ままごとの膳に食器となりぬ」 「熊蜂の刺をこわさに藤の花を 孫を守りてはやくも摘みぬ」 「藤の花を好むと聞きし熊蜂は 風をたよりにはやくも飛来す」 「大宇宙も人間をも創りし神あらば 吾が初孫のこころ助けよ」 「初孫の誕生に植えし月桂樹 伸やかに今朝も陽を受けて立ちぬ」 「初孫の母もかなしやガラス越しに 千百グラムの吾が児を抱きて」 「北国の春」 「真珠光」 「道」 「遠富士の麓まで雪の輝ける山までつづく冷気を吸いぬ」 「力尽きなば還えしてぞ欲し吾が命自然のままに自然のもとに」 「広き世の果てまで見たし翼ありて海山を越えおり立ちもみむ」 「群がりて草穂に止りぬ秋とんぼ飛びつ止りつ風にまかせて」 「己も世も平和を願う心あらむ己を捨つぬ平和こそあれ」 「半月の透かし彫りなる昼の月朝日に照りて空に浮きたり」 「夏の日の匂いも甘き立ち葵ままごとの膳に食器となりぬ」 「群がりて翔び交う蛍のひかりにも似て幻影か月見草咲ける」 「亡き父の面影ありて行きずりにあと追い行きし曲り角まで」 「復員す父を独占しお伽話せがみて寝入りし吾は幼き」 「手毬つく幼き吾を眺し父のやさしき視線にふと気付きたり」 「ふる里の墓に眠れる母よりも年上となりて母なお愛し」 「北極星を教えてくれし遠き日の声も聞こえて母なつかしき」 「母と見し北斗の星はそのままに輝きもちて瞳の奥にあり」 「紫陽花の深き紫ゆるるがに咲きはじまりぬ梅雨近くして」 「荒川の堤防より眺がむ遠富士の笑みても見ゆる吾がたのしき日」 「野の花を摘みてつくりし胸飾り想いは遠く乙女となりぬ」 「春弥生入りて木々は息づきて若木の肌はみどりを増せり」 「大宇宙も人間をも創りし神あらば吾が初孫のこころ助けよ」 「新しき朝の光に新年の空蒼々と吾を抱きぬ」 「野いちご」 「少年の日」 「星」 「オホーツクの海」 「あかちゃん」 「好きなんだ」 「ひと夏を笑み尽くしたるひまわりはわが掌に種子こぼしたり」 「かけがえの無き人生を狂わしむ戦争は罪ぞいかに生きむと」 「夕暮れて色もま赤きサルビアの亡き友遠く想いいでたつ」 「風わたり吾が身を乗せり虚となりてふる里の山河空あたたきかな」 「波寄せて松風清し城が崎訪う人のこころ映して」 「老いし樹のぼんぼり咲きぬ桜枝に風わたりきてひとひら散らす」 「幾億の星をしずめてふる里と空は野辺をつつみて昏るる」 「一条の棚びく雲は空分けて光臨のごと日射し出でぬ」 「連れそいて泉のごとく湧きあがる夫の心のいとど愛おし」 「湧きあがる深き想いを何とせむ稚児のごとわが夫呼びて」 「笛の音も愛しと思ゆ吾が夫のひびきて残る遠くなりても」 「夫の吹く笛の音たのし長き時間夢ごごちして胸あつくなりぬ」 「海となり山となりても吾が心ひとには見えじいかに伝えむ」 「吾は今こころを寄せる夫ありて幸せと思ゆ命消ゆるまで」 「朝あけの狭庭に降りくる雪ひらは凍れる空の便りもて降る」 「ゆずり葉の若葉は今年の日をかさねたくましき青に変りゆくなむ」 「うす紅の花を抱きつゆずり葉は若葉を屹っと空にさしおり」 「ゆずり葉の生まれたままの萌えみどり掌にかざすがに古き青葉は」 「青虫のただひたすらに葉を喰みぬ蝶になる日を夢に見なくも」 「八重に咲く桜はあわれときめきははらはらと散る吉野ざくらに」 「生きる人すべて愛おし人はみな共に生きたし今生きる吾は」 「情報の溢れいる世に若人の自より湧くる希がいとは何」 「平和なる世を継ぎ行かむ若人よ億年の世も平和であれと」 「吾が命永遠に継ぎたし見極めよ宇宙の極み果てるその刻」 「若人のさむき心をかなしみて熱き心もて生き生きよ希がう」 「天地を永遠に汚さぬ暮しあらむ人間も天地のおとし児であれば」 「「愛」あればこそ」 facebookでシェア Twitterでシェア LINEでシェア