永山幸子[歌人] ※ページ内のすべての画像はクリックすると見やすくなります。 永山幸子の関連作品 「それぞれの品位感じる人々は 感謝の心持ちてはげみし」 「義理も有り人情厚く働きし 日本の人は何処えぞ消ゆ」 「働き手なくて荒れゆく田畑増え 国の衰う如く悲しき」 「尊敬と悼む心を失いて 人は貧しくなりにけるかも」 「母親の言うこと聞いて動く児の 元気な姿ただめでたけり」 「栗山に栗の実落ちずわびしけり 雨と暑さで交配ならず」 「夕映えの空を見上げて秋の日の 垣根の麓野菊咲きいぬ」 「摘み込んだバラは新たな枝を出し 赤く小さな花を咲かせし」 「青空は白くとざされ満開の 桜は映えず淋しかりけり」 「初日の出見られぬ空は厚き空 切れ間に薄き白き光を」 「初春のさびれし庭に小スズメが 一二羽来てる朝はめでたし」 「風邪引きが出て来られぬとそば持ちて 娘は吾れを見舞いくれたり」 「三人の幼児育てる娘等に 「大変だね」と声かける吾れ」 「孫達の成長とみに早ければ 吾が老いし身も早きかと思う」 「一人立ち始めて今日は椅子を持ち ほんの一時手を離しけり」 「ほほずりをして抱きしめる愛しさよ 恋する如き清き愛なり」 「テレビ見てふと思いけり庭草の スミレタンポポつゆ草見えじ」 「手作りの花切りて来て下されし 人の喜び見るが楽しと」 「冬枯れの庭の古木の枝先に 早やも芽をふく白きつぶ見ゆ」 「秋晴れて東の空は雲薄く 朝日に海は白く光りぬ」 「つわぶきの色あざやかに輝きて 一人吾家に秋の来にけり」 「熱帯夜雨が欲しいと思いても 熱風だけを送る台風」 「爆弾は落ちては来ぬに不気味なる 風吹く時とふと思いけり」 「春雨にぬれた朝庭くろずみて 日のささぬ庭さみしかりけり」 「ガタガタとドンドンドンと戸をたたく 枯嵐吹けば雪の舞い散る」 「日が落ちて残照の光やわらげば 二十八度が涼しく感ず」 「小雨降る庭に一枝白き花 甘き香のするくちなしの花」 「初雪が庭の淋しき木々の上に 白く花咲く如くおもしろ」 「涼しげな優しき花よ眺むれば 贈りし人に感謝の心」 「祈らまし只祈らまし平和をば 生命有る者すべての為に」 「紅白で若き人等のたくましく 熱血を見て少し安堵す」 「秋日和花と香りと自然美を 自由な国に住みて感謝す」 「一段と明るく光る名月は なぜか小さく見ゆる吾れかな」 「十五夜は今宵なりけり名月と いう月見むと外に立ちけり」 「若き日の友尋ね来ぬ嬉しけり 健やかに老いて静かに話す」 「京菜漬送りし君を思いつつ 一人夕餉を味わいにけり」 「幾年もかかり造りし家なのに 地震は無情家をつぶせり」 「戦争など無くて災害やって来る 無情の中を如何に生きなむ」 「人の手で人の思いでつなぎけり 世界の景色皆な似て異なり」 「会話する人は相手の話し聞き あとで自分も話しするよし」 「自己主張するは良けれど過ぎたれば 平和を過ぎて戦いとなる」 「大変と分かってくれればそれで良し 老いも若きもいっぱいに生く」 「老いたけて何も出来ない者なれば 只優しさを心配りぬ」 「灯眞君来て時計をいじりけり 今朝の目覚まし早く鳴りけり」 「孫連れて誕生祝う花鉢を 娘はケーキ買いて持ち来ぬ」 「夕映えの空を見上げて秋の日の 垣根の麓野菊咲きいぬ」 「夕立ちの雨が上りて庭見れば つわぶきの花喜びて咲く」 「大寒の夜に雨降りて庭見れば 早や若草の緑り輝く」 「朝庭に朝日がさせば赤々と 南天の実が映えて美し」 「凛ちゃんは五才になって自己主張 自分の金で買うのバイオリン」 「一瞬の油断で転倒タンコブと 青アザ出来ぬ老いの悲しき」 「打ち処良くて九死に一生と 用心しつつ今日も働く」 「夜明け前南西の空に半月が 冷たく光り庭を照らせり」 「なにげなく我儘に住み過ごす日が 如何に尊く倖いなるかな」 「助けても助け届かぬ惨禍なり 無情の如く寒さ強まる」 「年明けの悲しきニュース続きいぬ 人の思いが日々広まりぬ」 「昔人の心を学び吾れもまた 若き人等に伝え行くべき」 「よき人の遠く去り行く淋しけり せめて心をつぎて伝えむ」 「善き仕事残して君は逝き給う 人の心に心きざみて」 「君よりの電話かかりぬ老の身を 気使う言葉身にしみ思う」 「青空が広がる日射し暖かし 庭の万両赤く輝く」 「冬庭は南天の実と万両が 赤く光りて少し淋しき」 「暖冬で一月早い春が来て 春一番が梅を咲かせる」 「話す人無くて久しく出合けり価値ある君と長く語りし」 「御仏の心伝えむ人の世に 命ささげて君逝き給う」 「気がつけば雨が上りぬ春の雨 傘が無くても気にならぬかも」 「しとしとと音の無い雨春の雨 雷鳴なればざっと降る雨」 「寒暖は行ったり来たり重い雲 明るくなったり暗くなったり」 「君のこと忘れたりなどしないけど 只思うだけ今日も過ぎけり」 「人の世は元気で仕事が有ればよし 人の命は限りあるもの」 「サツマイモ掘って戴く孫の為 陰干しにして来るを待つ吾」 「窓あけば青空遠く広がりて 庭のぼたんの蕾ふくらむ」 「嵐来てドウダンの花散れば 真珠の玉をまきし如くに」 「東南の空に朝日が昇り来て 南西の空にアルプスの山」 「青空に白きぼたんの美しき 春の嵐は哀れ残して」 「天も地も人の心も狂いしか 天災地災人災続く」 「暖房で身を温めてふと思う ウクライナではここより寒いと」 「初雪が舞う朝が来て見上げれば まだ青空に光り見えけり」 「堪えるとは愛することと信じつつ日々の暮しをやわらかに生く」 「学ぶとは生きることなり大自然人も自然も生物なれば」 「生きるとは堪えることなり寛容に人は小さく弱き者なり」 「朝霧が消えて遠くに見ゆる海青くのどかな小春日和に」 「北東の空に積雲重なりて北アルプスの山を想わす」 「静けさを破りて鳴きぬ蝉しぐれ耳に響きぬ交響曲と」 「大木も切られて尚も命有り人の命もかく有りなむと」 「どの国も皆な人の世ぞ変わりなし嬉しきことも悲しきことも」 「歴史とは人の人の生きたる道なれば深く学んで道造らねば」 「生きるとは草と戦う如くなり日々の努力と辛抱強く」 「どの国も貧しくなるとなげきけり何を求めて戦い続く」 「限り無く広い平野は麦畠戦火の中で刈る人は無し」 「戦争をすれば貧しくなるばかりなぜに命を捨てに行くのか」 「父の日に思ひ出しけり吾れに言う「自由と我儘とは違う」」 「子供の日野球場は超満員コロナ菌など吹き飛ばす如」 「こもりたる人も漸く外に出て春を楽しむ桜並木を」 「幼子は折角来たにひるね時起こしちゃわるい良い夢見てる」 「久しぶり帰り来たれば凛ちゃんは座敷をかけたりはいはいしたり」 「心得て働くこの身楽しけり誰れに言われてやるにあらねば」 「ガラス拭き鏡を拭いて迎えける新しい年を如何に生くべき」 「只一人静かに夜を楽しめる今夜の曲は新世界なり」 「ひたすらに真摯に生きて祈らまし吾が出来ること日々働きぬ」 「やさしさや愛と辛抱人の世は情によりて強く生き抜く」 「他人事と思えぬ惨事続きいて平和の日々の幸福思う」 「春日和のどけき日なり天つづく遠き国にでは戦いていぬ」 「コロナ禍の上に難民の増すニュース助けるすべの無き吾れ悲し」 「少しだけコロナ収まり若者はゴーツウキップの宿をキープす」 「涸沢のカールの秋を楽しみぬテレビで一人夫を思いて」 「気を取られ足元のこと忘れけりアットいうまにこけてしまいぬ」 「夜の海遠く輝く町の灯を旅の宿にて楽しみにけり」 「金メダル王者の風格湛えること礼と技あり平常心で」 「信仰は神に感謝の心なり神に近づく為に祈らむ」 「人の世は不条理なれど人はみな前に向かって生きるしかなし」 「ごみ拾う人の心は美しき社会の為と吾が徳を積む」 「足悪き吾れを車で花見にと連れ行きし娘の優しかりけり」 「サツマイモ掘って戴く孫の為陰干しにして来るを待つ吾」 「くり御飯持って寄ったと娘来ぬまだ温かき心うれしき」 「久々に孫と遊びぬ還暦のじじケータイおもちゃになって」 「七五三お祓いに座す灯眞と凜神妙にして静かに終る」 「七五三写真を撮るのは大さわぎイヤイヤマンの凛と灯眞は」 「灯眞君が「こんにちわ」とご挨拶言葉を覚え二才の可愛」 「孫達に今日は会えねど気分良き日を新ためて来ると帰りぬ」 「みごもりし娘は身をもいとわずに母の日の為に花を持ち来ぬ」 「幼な子を二人かかえてつわりとか手伝い出来ぬ老いの悲しき」 「娘より電話かかりて三人目新しき命宿ったと告ぐ」 「トマト熟れ凛と灯眞ももぎたいと小さな鋏で一つづつもぐ」 「母の日にカランコエの赤き鉢今年は花の種を変えて来ぬ」 「母親の言うこと聞いて動く児の元気な姿ただめでたけり」 「灯眞くんグウの手を出し微笑みてはずかしそうに手を振り帰る」 「凛ちゃんはそっと駆寄り言葉なく私を抱いて手を振りて行く」 「沈みゆく夕日の光輝きて白き浮き雲紅色に染む」 「青空に白き薄雲ちぎり雲たちまち消えたり現われにけり」 「剪定の終みて庭木はそれぞれに姿ととのえ自己主張する」 「あちこちの桜の咲きし道を行き映えぬは青き空のなきかな」 「雲消えて青空広く限りなく冷たき風の吹く春の午後」 「白ぼたん四つ子の花を咲かしけり風に吹かれてゆらりゆらゆら」 「チチチチと朝庭に鳴く小鳥来て窓を開ければ香り来る風」 「夏みかんもいだと十つこ下されしもぐも運ぶも重たきものを」 「梅雨明けの空は白から青になり白雲西に急ぎ流るる」 「北風と雨が激しく降りて過ぐ今を盛りのつつじ散りけり」 「満開のフジバカマ咲く昼庭にアサギマダラが群れて飛び来ぬ」 「雲間より浮きし半月うす白し六月なかば涼し夕ぐれ」 「五月晴鯉のぼり上げ風立てば東にこいの高く泳ぎぬ」 「色濃いキュウリ成りけり吾が庭の畠で今日は五本もぎたり」 「寒明けに開き初めた梅の花日増しに咲きぬ春を呼ぶごと」 「氷りつく冷たき風の吹く中で水仙の花は春を告げ咲く」 「亡き夫の残せし庭に白雪の積る初春姪と眺めん」 「初春の色はなけれどそれぞれの人の心に色はありなむ」 「人は皆な弱き葦なり考えて文殊の知恵を集め進めぬ」 「何に一つ欲しいものとて無かりせば日々の平和の只有難き」 「枯枝にみかんを串ざし待ちたればヒヨ鳥が来て実を食べにけり」 「ふと見たる木犀の芽の長く伸び赤くやさしく天に伸びいぬ」 「芍薬の今を盛りと咲く花は日に日に開き盛り上りけり」 「白ぼたん漸く咲きし凛として赤も良けれど心ひく白」 facebookでシェア Twitterでシェア LINEでシェア