澤田貴子[歌人] ※ページ内のすべての画像はクリックすると見やすくなります。 澤田貴子の関連作品 「野田へ行く用事といって別になし恩師に聞きたきことあるやうな」 「吾が顔にくまなく触るる父の手の為すまま終の日を思ひをり」 「何処へと思ひ駆すれば野の花を恋ひて信濃にまた来てしまふ」 「積もりゐる枯葉の上の淡き陽よいたく哀しくこの掌に掬ふ」 「白鷺の白の一点際立てるわたらせ川の風のつめたさ」 「吾娘の弾く今宵ショパンの寂しけれ留学といふしばしの別れに」 「月の夜を歩むそれだけで充ちをりしかの日に戻れこの月の道」 「水竿を巧みに反らす船頭が音もたてずに矢切を渡る」 「花びらの薄さそれよりまだうすきみどり児の爪、春の日に透く」 「晩秋の風にも似たる和紙剝ぐ音夜半を咲かしむちぎり絵の花」 「遠き日に会へるといつも来る度に醤油の香りに会ふ野田の町」 「江戸、明治におもひ馳すれば静けさの冬日あまねく満ちわたりをり」 「ピアノの音雪夜に響き興じゐるこの娘らの未来いかなる道や」 「日盛りの野辺に強さと優しさをこぼし群れ咲く昼顔の花」 「ひさびさの雨が作りし水たまりパレットにして春色溶かさむ」 facebookでシェア Twitterでシェア LINEでシェア