近藤柊雨[俳人] ※ページ内のすべての画像はクリックすると見やすくなります。 近藤柊雨の関連作品 「玩具箱開けて謎めく十三夜」 「玉音の耳朶に残りて敗戦忌」 「明易き友の語らひ童話めく」 「産土の母の憧憬ラムネ抜く」 「寂々と明けゆく庭の余花まぶし」 「鬼女紅葉虹の森よりいでしかな」 「妻逝きて翅ゆるやかに梅雨の蝶」 「五月闇役の行者の墓碑一つ」 「明日あるはすばらしいこと初鏡」 「ギリシャより聖火守りて年の際」 「松陰の幽居の障子ただ白し」 「遊ぶ風山いっぱいの萩の花」 「赤まんま母の歩みの日々新た」 「戦場の父は土なり草いきれ」 「雷鳴の火柱近し無言館」 「火の記憶の一書ありけり楸邨忌」 「水葵魚が輪となり渦となり」 「この道は夜学への道槙薫る」 「万灯の路上豊かに春立てり」 「四季の詩綴りし妻よ淑気満つ」 「元日の獏に出合へる佳き日かな」 「初凪を湖に散りばめ山動く」 「漆黒の真夜に漂ふ星河かな」 「シャーマンの祈りし舞や身にしみぬ」 「彼岸会や父の帰還の忘却す」 「たらちねの母の遺愛の男雛かな」 「追儺豆遥か彼方の窓開く」 「草萌や村より聞こゆ陣太鼓」 「リハビリの妻の瞳や陽炎ひぬ」 「転た寝の己が窓辺よ梅の花」 「遅桜の杣の藁屋の昼餉かな」 「零れ陽の途切れし野辺よ沈丁花」 「山路来て紛れ込みたる梅花村」 「ひこばえの一樹一草天に向く」 「雲海や笑みし石仏忘れ去る」 「鬼女紅葉青葉茂れる谷へ消ゆ」 「霊場の遍く人や片陰り」 「五月闇役の行者の標べ見ゆ」 「葦切や遠山ゆかし谷谺」 「雪形の峩々の山領姥が棲む」 「寒田螺ひゆひゆ泣きて掘られけり」 「銀漢の御手に睡れや戦火の子」 「川普請銃後の母の荷が重き」 「赤紙のいまだに赤し終戦日」 「師の檄は獄中にあり蝉時雨」 「大瑠璃の降らす啼き声渓木霊」 「星鴉神の青嶺を鳴き渡る」 「蛇出でて青き地球に溺れけり」 「開拓地の靡けばこぼる蕎麦の花」 「春の蚊や光りの中の無重力」 「スワン飛ぶ火山死火山従へて」 「大鍋のぐらりぐらりや七日粥」 「十指より祈り興りて大旦」 「永遠にあれ不戦の誓ひカンナ燃ゆ」 「胸の棘疼く八月十五日」 「永遠の喉の渇きや広島忌」 「菜の花や村に産声良く通る」 「父の声霜の声聞く夜なべかな」 「エプロンの堅き結びよ建国日」 「限りなき地球圏外しやぼん玉」 「とんぼ捕り夕日がそこに転がれり」 「御神木になる木ならぬ木秋深む」 「臨月の牛に添寝の良夜かな」 「一湾は光りの器百千鳥」 「湯豆腐や熱き昭和を語り継ぐ」 「炎ゆる日の地球の火傷眼裏に」 「戸隠山の朝を鎮めて湖朧」 「竜神の棲みし湖沼や陽炎ひぬ」 「磐座を畏れし修験春惜しむ」 「流氷や流れ惜しむか牧の牛」 「囀や杜が目覚めの闇解けぬ」 「雲上は神の領域雉啼けり」 「戸隠の杉飄々と凍て返る」 「湯豆腐や熱き昭和を語り継ぐ」 「茎石のどかりと坐る信濃かな」 「天上は神の領域鷹渡る」 「己が家は虫の夜なりし灯を消さむ」 「広島や街の隅々風死せる」 「黒南風や基地のアンテナ際立ちて」 「牧牛の乳房重たき聖五月」 「巡礼は己が一生千代の春」 「地球儀に広き海あり小鳥来る」 「五線譜に光り織りなす雪解かな」 facebookでシェア Twitterでシェア LINEでシェア